慎重 勇者 カクヨム。 第五十二章 再会と変化

序章 女神の苦悩

慎重 勇者 カクヨム

目の前には大女神イシスター様の威厳ある顔。 それでも私は、 「教えてください!!」 きっぱりと言い放った。 イシスター様は静かに頷くと、机の上にある大きな水晶玉に両手をかざした。 「では、ご覧なさい。 ここにアナタの知りたい真実があります」 水晶玉がイシスター様の言葉に反応するように光を放つ。 そして、まるで受像器のように鮮明な映像を映し始めた。 ……そこにはテーブルを囲んで椅子に座る三人の姿が映っていた。 神官のような格好をした鳶色の髪の女の子。 魔法使いのローブを羽織った優男。 そして……純白のドレスに身を包んだ美しい女性に私は見覚えがあった。 髪の毛は今より長いが、間違いない。 私は思わず水晶玉から目を離し、背後を窺ってしまう。 「こ、これって……アリア……なの?」 今まで黙って静観していたアリアは、ゆっくりと私の隣に歩み寄る。 「それは百年前の私。 そして、その水晶玉に映っているのは救世難度Bの世界イクスフォリア……」 「イクスフォリア?」 どこかで聞いたことのある名前だった。 思い出そうとした時、 『では、そろそろ行くとするか』 聞き慣れた声が水晶玉から聞こえて、意識がそちらへ向いた。 ちょうど水晶玉の中の三人も声のした方を眺めているようだった。 声の主が三人に近付き、姿が明らかになる。 現れた四人目は鋼の鎧をまとった長身の男性だった。 艶やかな黒髪。 端正な顔立ち。 アリア同様、見間違う筈はない。 アリアが呟く。 「竜宮院聖哉は最初、私がイクスフォリア攻略の為、召喚した勇者だったのよ」 う、嘘……!! だって今までそんなこと一言も……!! 頭の中で疑問が渦巻く。 だが水晶玉の中で聖哉は話し続けていた。 『今よりキマイラ征伐に向かうぞ』 颯爽と身を翻し、扉に向かおうとする聖哉を神官姿の女性が止めた。 『ねえ、聖哉! まだ早いわ! 情報によればキマイラのレベルは私達より上なのよ! もっと修行を積んでからの方が、』 『時間がもったいない。 とにかく戦ってみよう。 その方が早い。 それに戦略だってある』 『じ、じゃあ教えてよ! その戦略とやらを!』 『うむ。 以上』 『!! 子供か!? そんなの戦略じゃねえわ!! やっぱ、ちゃんと準備してから行かなきゃダメだって!!』 神官の女の子は肩まである鳶色の髪を揺らしながらツッコんでいた。 その様子に張り詰めていた『時の停止した部屋』の空気が少しだけ和らぐ。 アリアが水晶玉を指さす。 「彼女はティアナ姫。 イクスフォリアの大国ターマインの王女で、パーティの回復役。 途中から魔王征伐の為に聖哉の仲間になったのよ」 そのティアナ姫の進言も聞かず、聖哉は黒髪を爽やかにかき上げる。 『 ガナビー・オーケー ( 何とかなる )』 『いや意味が全く分かんないんですけど!? ……ち、ちょっと待ってってば!! 聖哉!!』 聞く耳持たず部屋から出て行く聖哉。 残されて、憤懣やるかたないティアナ姫。 だが、魔法使いのローブを羽織った男性が微笑む。 『はは。 何とも聖哉らしいな』 『ちょっとコルト!? 笑い事じゃないわよ!!』 コルトと呼ばれた魔法使い同様、過去のアリアも苦笑いしている。 『まぁ、何とかなるわよ。 今までだってどうにかなってきたし……』 『もう、アリア様まで!! あの向こう見ず勇者を甘やかしちゃあダメですって!!』 ……そして場面は切り替わり、水晶玉はその後の光景を映し出す。 今、聖哉達パーティは巨大な獅子と対峙していた。 いや、よく見れば獅子ではない。 その背には翼があり、尾は大蛇である。 怪物キマイラを前にして、聖哉達は、 『コルト! アナタの得意な風の魔法を! ホラ、早く!』 『か、噛まれたァァァ!! ティアナ、回復魔法で治してくれェェェ!!』 『落ち着いて、コルト! 治癒するから、暴れないで!』 『待って、ティアナ!! コルトより先に聖哉を治してあげて!! 今、見たら、HPが2しかないわ!!』 『嘘でしょ!? ……う、うわ!! 胸に風穴、開いてんじゃん!!』 『いや俺なら大丈夫だ。 不思議と全く痛くない。 それどころか気分がいい。 意識がボンヤリとして、まるで夢心地だ』 『それお前、死にかけてんだよおおおおおおお!!』 ……しっちゃか、めっちゃか。 余裕ある勝利なんかとは程遠い泥試合の様相。 それでも、どうにかこうにかキマイラに辛勝すると、聖哉は震える手でガッツポーズを取った。 『ホラ、見ろ。 勝てたろう?』 『アンタこそよく見なさいよ!! みんなボッロボロなんだけど!?』 『それでも勝てた。 よかったではないか』 『全然よかねえわ!! コルトなんて、足、千切れてるのよ!!』 『うう……ティアナ……早く治してくれえ……!』 『よし。 それでは急いでゴーレム討伐へ向かうとしよう』 『!? コルトは足、千切れてるって言ってんだろうがァァァ!!』 ……時の止まった部屋で、私達は息を呑み、水晶玉に映る光景を眺めていた。 「ってか……これマジで師匠なのかよ……!」 「な、何だかロザリーさんみたいだね……!」 マッシュ達の呟きに激しく同意。 聖哉の言動はまさにロザリー……いや、無謀さで言えばそれ以上だった。 私達は引いていたが、アリアは昔を懐かしむように少しだけ口角を上げていた。 「聖哉はね。 元々こういう性格だったの。 レベル上げなんか大嫌い、とにもかくにも先に進む、ってタイプのね。 それでも聖哉には天賦の戦闘の才があった。 相手よりレベルが低くても、準備なんかしなくても、どうにかこうにか敵を倒していった。 今のキマイラ戦みたいな大ピンチもあったけど、それでもドンドン前に進む勇者に、いつの間にか私達は安心し、そしてまた憧れてもいたのよ」 水晶玉はその後、聖哉達の戦闘シーンを短くまとめた映像を見せてくれた。 ゴーレム、ドラゴン、サイクロプス……様々な強敵を相手に傷を負い、それでも進んでいく聖哉達のパーティ。 常に間一髪、ギリギリの勝利。 だが何故だか彼らは楽しそうだった。 私の知っているワンマンな聖哉とは全く違う。 仲間の力を借り、苦戦しつつも勝利を収める。 そしてその喜びをみんなで分かち合っている。 きっとみんな、聖哉を信頼し、また聖哉も仲間を信頼していたのだろう。 どうやら、場面は夜。 たき火の近くで聖哉とティアナ姫だけが座って話していた。 『聖哉。 遂に残すは魔王だけだね』 『ああ。 明日は朝から出発だ。 お前もそろそろ寝ておいた方がいい』 『ちょっと不安で眠れなくて。 ねえ……ホントに賢者の村には行かなくていいの?』 『うむ。 もう魔王を倒せる武器は手に入れた。 遠く離れたその村まで、わざわざ出向く必要はあるまい』 『でもアリア様が、そこで魔王の情報が手に入るって……』 『ティアナ。 俺は一刻も早く、魔王を倒したいのだ』 強情な聖哉にティアナ姫は大きな溜め息を吐き出した。 その後、諦めたように笑う。 『聖哉ってば出会った時からそうだよね。 修行とか準備とか、全然しないんだもん』 そして少し真剣な顔をする。 『今日こそ教えてくれない? 聖哉がそんなに先を急ぐ訳を……』 『いつも言ってるだろう。 特に理由はない』 『もうっ! いくら聞いても、そればっかりじゃん! 明日でもう私達の旅は最後なんだよ? だからお願い! ……ね?』 少しの沈黙の後、聖哉はぼそりと言う。 『俺達が行くのが遅れれば、遅れる程……俺達が魔王を倒せない日々が長ければ長い程……この世界の人々の苦しみは続く。 だから俺は前に進むのだ』 言った後、聖哉は少し気恥ずかしそうに頭を掻いた。 『そっか……そういう訳だったんだ……』 ティアナ姫は聖哉の手に自らの手を乗せた。 聖哉はその手に指を絡ませ、強く握りしめる。 『ティアナ。 お前の治癒魔法があったから、ここまで来ることが出来た。 いつも無理をさせてすまない』 『い、いいよ。 きっと今回も何とかなるよ。 だから……言ってよ。 あの台詞。 あれ聞くと安心するんだ』 聖哉は満天の星空を見上げながら口を開く。 『 ガナビー・オーケー ( 何とかなる )』 そしてティアナ姫はにこりと微笑んだ。 ……またも場面が切り替わる。 イシスター様が水晶玉を見詰めながら、真剣な声を出した。 「それではイクスフォリアの魔王との戦いです」 映し出されたのは、見るからに満身創痍の聖哉のパーティ。 肩で息切る聖哉達が囲むのは、緑色の皮膚、裂けた口から覗く牙、手足合わせて八本の醜悪かつ巨大な怪物だった。 魔王としての威厳もかなぐり捨て、敵を葬ることのみに特化したような姿は、おそらく最終形態。 聖哉達同様、魔王もその体から紫の体液を垂れ流しつつ、苦しんでいた。 最後の力を振り絞るように聖哉が剣を上段に構える。 聖哉の思いに呼応するように眩く輝いた聖剣は、勇者の 裂帛 ( れっぱく )の気合いと共に降り下ろされるや否や、魔王の巨体を上半身と下半身とに分断した。 魔王城に響き渡る断末魔の悲鳴。 そして、その後、沸き上がる仲間達の歓声。 アリアが聖哉に駆けつける。 『やったわね! 聖哉!』 『だ、大丈夫? ホントに死んだのかな?』 不安そうなティアナ姫だが、 『能力透視で確認したわ! 魔王のHPはゼロになっていた! 倒したのよ!』 アリアのその一言で胸を撫で下ろしたようだ。 脱力して、地面にへたり込んだ。 隣で聖哉が呟く。 『言ったろう。 ガナビー・オーケー ( 何とかなる )と』 『ったく! 何言ってんのよ! ギリギリもいいところだったじゃない!』 疲労困憊のパーティだったが、それでもティアナ姫の言葉に皆で笑い合う。 魔法使いコルトも楽しげに笑っていた。 だが、その時。 不意にコルトの口から赤いものが零れ落ちた。 『え……』 おびただしい血液がコルトの口から滴り落ちる。 コルト自身、何が起こったのか理解出来なかったに違いない。 上半身のみとなった魔王の口腔から伸びた剣のように鋭利な舌先がコルトの胸を貫いていた。 突然の惨劇にティアナ姫が叫ぶ。 『コルト!?』 爬虫類が舌で獲物を絡め取るように、魔王はコルトを巨大な口に飲み込んだ。 養分を吸収したのか、上半身のみだった魔王は瞬時に新たな下半身を再生する。 アリアが顔面蒼白で震えていた。 『そ、そんな! 確かに体力はゼロだった! 魔王は死んだ筈なのに!』 体力を取り戻した魔王は素早くアリアの目前に躍り出る。 そして四本の腕でアリアを鷲掴みにして、勝ち誇ったように笑う。 『俺の命は二つある。 一つは失われたが、もう一つは健在だ』 『な、何て……こと……! に、逃げて、聖哉、ティアナ……これじゃあ、もう勝てな、』 だがアリアの忠告は途中で終わる。 魔王がアリアを飲み込んだのだ。 『ククククク! 二人分の養分で完全に再生したぞ!』 聖哉が剣を杖のようにして何とか立ち上がろうとする。 だが疲労の為か、足元がふらついていた。 『ティアナ……回復魔法はまだ使えるか……?』 『ご、ごめん聖哉……もう魔力がないの……』 普段、勝ち気そうなティアナ姫は申し訳なさそうに目に涙を溜めていた。 聖哉はそんなティアナ姫の頭に手を乗せる。 『お前が謝ることはない。 この状況は、するべき準備を怠った俺のせいだ』 そして聖哉はティアナ姫をドンと突き飛ばした。 『逃げろ。 ティアナ』 聖哉がティアナ姫をかばうように一歩前に出る。 だが魔王は聖哉を通り過ぎ、ティアナ姫に向かった。 『逃がすものか! 先にこの女から殺してやる!』 『やめろ……』 聖哉はティアナ姫の元に駆けつけようとする。 だが、もはや体の自由は失われていた。 聖哉は無様に地面に倒れ、そこから魔王を睨むだけだった。 魔王は怯えるティアナ姫に、にじり寄り、その腹部を凝視していた。 『何だ……? この女の腹の中に微かな生命反応があるな……』 普段、何事にも動じない聖哉の顔色が変わった。 魔王はぐるりと醜悪な面を聖哉に向けた。 『そうか! これはお前の子か!』 聖哉の動揺を見て、魔王は悪魔の嘲笑を浮かべる。 『腹から引き摺り出し、喰ろうてやろう! 母子共に、これより始まる我が新世界の 贄 ( にえ )となるがいい!』 『やめろ……やめてくれ……』 その瞬間。 水晶玉の映像が、ぷつりと途絶えた。 「……ここまでにしておきましょう」 唐突に映像を切られ、私は戸惑ったが、すぐにイシスター様が続きを見せなかった理由が分かる。 私の隣でアリアが泣きじゃくっていたからだ。 「聖哉のせいじゃない……! 私の責任よ……! 賢者の村で魔王の秘密を聞いておけば……! これは担当女神だった私の責任なのよ……!」 アリアの嗚咽と同時に私は思い出す。 三百もの異世界を担当したアリアが唯一救えなかった世界……それがイクスフォリア……!! そして……そうだったんだ!! 仲間を殺され、愛する人と、更にはその身に宿した小さな命まで……!! こんなに非道いことがあったから、聖哉はあんなにも慎重になったんだ……!! 頭の中で冷静に分析しているつもりだった。 だが、 「お、おい、リスタ?」 「リスたん?」 「……え」 二人に言われて、ようやく気付く。 頬を止め処なく伝う熱い液体。 私の目から、涙が滂沱と溢れていた。 「リスタルテ……。 竜宮院聖哉が助けられなかったティアナ姫。 それが女神に転生する前のアナタなのです」 あ……あの姫が私……? 私……元は人間だったの……? そ、そんなことって……! 私が信じられないのを分かっているように、イシスター様は続ける。 「アナタはヴァルキュレと聖哉が抱き合っていると勘違いした時、無性に腹が立ったのでしょう? それはアナタと聖哉が恋仲であったという微かな記憶が魂に残っているからです」 「うっ……!」 そう言われて二の句が継げない。 あの時、感じた心の奥底から涌き出るような悲しみ、怒り、そして悔しさ。 それは 過去生 ( かこせい )で私と聖哉が恋人だったという真実を裏付けていた。 「そこにいるアリアの強い願いと、ティアナ姫の生前の善行が合わさって、アナタは死した後、女神に転生することが出来たのです」 愕然と立ち尽くす私にイシスター様は話し続ける。 「時の流れが遅い天上界にいるアナタにとっては百年。 そして竜宮院聖哉にとっては一年……。 今回、アナタがゲアブランデ攻略に竜宮院聖哉を選んだのは偶然ではありません。 運命が互いを引き寄せたのでしょう。 無論、アナタ同様、竜宮院聖哉も過去を覚えている訳ではありません。 その証拠にあの子はアリアのことを忘れています。 それでもあの時、救えなかった仲間に対する後悔の念は、魂に刻印されているのです。 そしてそれは勇者召喚の際、ある言葉となって表れました」 「……ある言葉?」 「覚えていますか? アナタに会ってすぐ、あの子が『プロパティ』と言った時のことを」 覚えている。 聖哉に興味を持たせる為、『ステータス』を呼び出して貰おうとして……だけど聖哉は皮肉ぶって『プロパティ』と唱えた。 「これがあの時、あの子が見た映像です」 水晶玉に映された映像を見て、私は絶句する。 「こ、これは……! こんなことって……!」 「頭の良い子です。 ここに記された文面を見ただけで自らの置かれた状況を正確に把握しました。 以前、自分が同じように召喚され、失敗したことを理解したのです」 居ても立ってもいられず、ゲアブランデへの門を出そうとするとアリアが叫んだ。 「リスタ!? アナタ、一体、何を!?」 「決まってるでしょ!! 今から聖哉のところに行くのよ!!」 「やめて! 行かないで! 私はもうアナタを失いたくないの!」 アリアは私の腕を引いて止めようとした。 私はアリアのその手を握る。 「アリア。 これまでのこと、色々感謝してる。 でも行かなくちゃ。 だって聖哉は私の大事な人だもん。 一人にしておけないよ」 「リスタ……」 イシスター様は荘厳な面持ちを私に向ける。 「魔王が神をも殺せるチェイン・ディストラクションを手に入れた今、ここでリタイアしても何の咎めもありません。 いや、むしろリタイアすることを勧めます。 竜宮院聖哉自身、きっとそれを望んでいます。 それでも行くというのですか?」 「行きます! 行くに決まってます!」 「……もはや止めても無駄のようですね」 私は無言で頷く。 そして呪文を唱えながらゲアブランデの出現位置を特定する。 聖哉は……あの慎重勇者は、私達が感づくことも念頭において、魔王城へ向かったに違いない! 城周辺に門を出現させても、きっともう間に合わない! 私の考えを見通したイシスター様が、静かに諫める。 「魔王城の深部、最終決戦の場に門を出そうというのですか……。 流石にそれは女神としてのサポートの範疇を逸脱しています」 「構いません!! 後で、どんな咎めでも受けます!!」 そう言い放ち、門を潜ろうとした私の腕を誰か掴む。 振り返るとマッシュとエルルが真摯な表情で私を見詰めていた。 「マッシュ。 エルルちゃん。 アナタ達まで死ぬことはないわ。 どうしてもゲアブランデに戻りたければ、後でイシスター様に安全なところに送って貰いなさい」 マッシュは首を大きく横に振る。 「リスタがイシスターに言った台詞のままだって! 俺達だって、行くに決まってんだろ!」 エルルも目に涙を溜めて大きく頷く。 「私の命も、マッシュの命も、聖哉くんに助けて貰ったんだもん! だから聖哉くんの命が危ないなら……だったら行かなきゃ!」 純粋な二人の瞳を見て、私は何も言えなかった。 なぜなら二人の思いは、今の私の気持ちと同じなのだから……。 私は静かに頷き、同行を認める。 門に手を当てた瞬間、イシスター様が背後から言った。 「魔王は『 エリア・チェインディストラクション ( 連鎖魂破壊陣 )』を展開しています。 そうして張り巡らされた魔力は私の予知の力をも阻んでいます。 これ以後、何が起きるのか予想が付きません」 最後の言葉が、かすれているような気がして私は後ろを振り返る。 イシスター様は涙を流していた。 「リスタルテ。 お気を付けて」 「ありがとうございます」 深く頭を下げた後、門を潜った。 私なんかが行っても、たいした役には立てないかも知れない。 けど、それでも、仲間だもの。 アナタ一人だけ死なせたりなんてさせるもんですか。 ゲアブランデへと繋がる異空間。 そこを通過するほんの僅かな時間、私はイシスター様が教えてくれた聖哉の プロパティ ( 固有性質 )の文面を思い返していた……。 『慎重に、慎重にも慎重に。 疎まれようが嫌われようが、それを貫こう。 そして今度こそ、世界と仲間と大切な人を必ず救ってみせる』.

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アニメ慎重勇者の最終回ネタバレ!最終話の結末がヤバ過ぎる!その後のストーリーもご紹介!みんなの感想は?

慎重 勇者 カクヨム

一瞬、間違った場所に門を出してしまったのかと疑う程に、イザレの村は変わり果てていた。 強烈な天災地変に見舞われた後のように、村は廃墟と化していたのだ。 「何だよ、コレ……!」 マッシュが呆然と呟き、エルルは言葉を失い、口に手を当てている。 見ると一筋の煙が空に伸びている。 「誰かいるな。 だが罠かも知れん。 気を付けて行くぞ」 聖哉の言う通り、村をこんな状況にした奴らがあそこにいる可能性がある。 私達は静かにその煙の元へと歩を進めた。 近付くにつれ、煙の元が判明した。 私達が以前、たいまつを買う為、立ち寄ったドワーフの道具屋から出火していたのだ。 「ねえ……! あ、あれ見て……!」 エルルが絞るような声を出す。 くすぶる家屋よりも、その傍にいた怪物に私達の視線は釘付けになった。 そこには巨大な亀の怪物がいた。 屋根のような甲羅の下には硬そうな 土気色 ( つちけいろ )の皮膚。 ドラゴンに変身した竜王母を彷彿させる程に大きな亀は、今まさにその口を開き、鋭利な牙を剥いてドワーフの店主に襲いかかろうとしていた。 「や、やべえって! あのドワーフのオッサン、殺されちまうぜ!」 「助けなくっちゃ!」 私とマッシュは本能的に飛び出してしまう。 そしてドワーフ店主と巨大亀の間に滑り込んだ。 「大丈夫か、オッサン!」 マッシュが振り返ると、小太りのドワーフ店主はニコニコと微笑みながら言った。 「ええ、大丈夫。 心配はありませんよ。 この怪物は私に襲ってきたりはしません。 なぜならこれは私が呼び出したものですから」 「は?」 「 アダマンタイマイ ( 超硬神亀 )。 別世界から召喚した魔物です」 聖哉がいつの間にかプラチナソードを鞘から抜いていた。 刃の先は近くの怪物亀ではなく、ドワーフに向けられている。 「……何者だ」 相変わらずにこやかに笑いつつ、小さな背のドワーフはその名を名乗った。 「魔王軍参謀にして四天王……召喚術師キルカプルと申します」 「し、四天王……!」 私が呟き、 「ひえっ……!」 エルルが一歩、後ずさった。 キルカプルはアダマンタイマイの喉元を撫でる。 「勇者様。 アナタの活躍は、かつてこの村を訪れられた時より、千里を見通す水晶玉にて拝見させて頂いておりました。 いやはや、まるで人間とは思えぬ凄まじい力。 そして思慮深く、頭も良い。 我々にとってアナタは脅威以外の何者でもありません」 「それでその亀を召喚したって訳!? 聖哉を倒す為に!!」 「いえいえ。 これは別件。 アダマンタイマイを呼び出したのは、こういう訳でして」 キルカプルが『コンコン』とアダマンタイマイの喉を叩くと、牙のある大きな口が開く。 そして、そこからドサリと地面に落ちた物があった。 アダマンタイマイの口腔より落下した黄金よりも色濃く輝くそれは、何かの破片のようだった。 魔王様の攻撃にも対応出来るその鎧を砕くことなど本来ありえません。 唯一、同質の構造の体を持つ召喚獣アダマンタイマイを除けば……」 「ま、まさか……!」 私はアダマンタイマイが吐きだした金属の破片に目を落とす。 「それは先程喰らった伝説の鎧の欠片。 アナタ達が手に入れる前に、一足早く私が祠の封印を解き、鎧を破壊させて頂きました」 そ、そんな!! 最強の武器イグザシオンも得られず、伝説の防具までも壊された!? これじゃあ、もう……!! 「魔王様は最強の御方にて在らせられます。 しかし、それでも魔王様を打ち破る可能性を僅かでも秘めたアナタは今此処で死ななくてはなりません」 途端、アダマンタイマイが「グオオオオオ!!」と咆吼した。 私達は攻撃に備えて身構えるが、キルカプルはニコニコと笑いつつ、首を振った。 そしてアダマンタイマイの太い足に手を当てる。 「お前はもう用済みだ。 消えなさい」 すると巨大な亀は徐々に色あせ、この世界から溶けるようにして姿を消した。 「な、何なの? ひょっとしてアンタが聖哉と戦うっての?」 小さなドワーフを睨み付けるが、キルカプルはやはり穏やかな笑顔だ。 「とてもとても。 私が戦って勝てるような相手ではありません。 そして無論、アダマンタイマイでも。 言ったでしょう。 私は勇者を見て、研究したのです」 達観したような顔でキルカプルは話し続ける。 「私を除く最後の四天王イライザ=カイゼル。 彼は攻撃力防御力ともに二十万を超える鬼神の化身ですが、それでもやはり敵わないでしょうな」 ……へ? こ、このドワーフ、一体何を言っているの? 「その勇者からは理論や理屈を超えた強い力を感じます。 それは魔王様もお持ちの力。 上手くは言い表せませんが『世界の命運を握る力』とでも言いましょうか。 我々のような俗物とは持っているものが違う。 そこで……」 言いながらキルカプルは傍らに置いていた二つの包みを持ち、それを私達の前に置いた。 「これをご覧下さい」 果物でも献上するような感じで開かれた包みの中身を見て、 「いやああああああっ!!」 エルルが絶叫した。 私も人知れず体を震わせる。 そこには以前、道具屋で見た年配の女ドワーフと、小さな男の子の生首があった。 「私の妻、そして息子の首です」 「う、嘘よ!! 偽物に決まってるわ!!」 私は叫ぶが、キルカプルは小さな男の子ドワーフの首を愛おしげに撫でた。 「私によく似ているでしょう? 正真正銘、私の妻と息子の首です」 「なんで!? どうしてこんなことを!?」 「私は勇者を倒さなくてはなりません。 愛する者の首とイザレの村人全ての命を触媒にして呼び出す我が最凶の召喚魔術を持って……!」 笑顔の裏に潜むキルカプルの狂気を垣間見た気がして、私は鳥肌立った。 「狂ってる……!」 「はい。 狂わなければ勝てません。 私はそう悟った。 それ程、この勇者は驚異なのです。 魔物にだって情はあります。 悲しかった。 辛くて苦しかった。 それでも魔王様は私に仰ったのです。 『キルカプル。 お前があの勇者を仕留めろ』と。 光栄でした。 勿論、妻も息子も理解して死んでくれました。 見てください。 この晴れ晴れとした死に顔。 立派でしょう?」 「そ、そうまでして、アンタは一体何を呼び出そうとしてるのよ!?」 「『勇者を倒す最凶』を。 それを前にしては、知も才も力ですら特に意味を為しません。 せっかく竜の里にて手に入れたイグザシオンですら効果はないでしょう」 イグザシオンのことまで!! で、でも流石にコレが偽物だとバレてはいないみたいだけど……!! 「し、師匠! コイツ、今のうちに倒した方がいいんじゃないか!」 「いや。 おそらくもう遅い。 殺そうが殺すまいが、奴の言う召喚術は発動するのだろう。 だから奴はこうして俺達の前に姿を現していて、しかも動揺すらしていないのだ」 「仰る通り。 もはや全てが手遅れです。 ……さぁ、イザレの村人の命、愛する者の命、そして最後に、この召喚術師キルカプルの命と引き替えに! 別次元より顕現せよ! 超概念の死神クロスド=タナトゥス!」 超……概念の死神……クロスド……タナトゥス……!? そしてキルカプルは懐から取り出した短刀で自らの喉元を掻き切った! 「な、何を!?」 パックリと裂けた喉より、溢れ出るドス黒い魔物の血液が地面に血溜まりを作ってゆく。 致命傷を負いながら地に膝を付き、それでも、キルカプルは満足げに空を眺めていた。 「魔王様……! この世界を我らが悲願の魔界に変え……て……くだ……」 そしてキルカプルは、その場に倒れ伏し、動かなくなった。 「し、し、死んだの?」 死体を確かめるでもなく、聖哉が私に囁く。 「リスタ。 天界への門を開け」 「ええっ!? 今このタイミングで!? まだ何も起こっていないのに!?」 「いいから早くしろ。 あの自信はただごとではない。 念の為に開いておけというのだ」 「わ、わかったわ」 だが、私が門を開こうとした刹那。 地面に広がったキルカプルの黒い血溜まりから突然、這い上がるものがあった。 黒き血と同じ色の漆黒の影は即座に人型を形作る。 「こ、これが……クロスド=タナトゥス!? キルカプルが命と引き替えに呼び出した超概念の死神なの!?」 それは異様だった。 小さな体をすっぽりと黒色のローブに包み、フードから見える顔は同じく真っ暗で空洞のよう。 そして死神と呼んでいたくせにその手に抱えているのは何と大きな鉄の十字架である。 不吉の象徴である死神が聖なる十字架を携えているのは何とも矛盾している気がした。 不気味な外見のこの死神は一体、どれ程の力を秘めているのだろうか。 私は能力透視を目前の敵に発動した……。 クロ ド=タkトz8z Lv umu? だが再度、能力透視してもクロスド=タナトゥスのステータスは解読不能だった。 「な、何なの、コレ!! 数値が読めない!! こんなことってある!? 聖哉!?」 「うむ。 俺の目にも文字化けした数値が映っている」 「まさかコレって聖哉みたいな 偽装 ( フェイク )のスキル!?」 「いや、どうもその気配はない。 きっとアレが奴の本来のステータスなのだろう」 「ええっ!? この文字化けした数値が本来の能力値!? そ、それってどういうことなのよ!?」 「……常軌を逸しているということだ」 私達が喋っていると、タナトゥスは『トン』と大きな十字架の下部分を地面に付けた。 その途端、地面が大きく裂ける! 「つ、土属性の魔法!!」 私の叫びと同時に亀裂は猛スピードで聖哉の方に迫り寄り、作られた割れ目に飲み込もうとした! だが……既に勇者は宙に浮遊している! す、凄い! 相手の能力が分からない状態なのに、それでもとりあえず浮遊していた! 何て用心深いの! 予知能力のような聖哉の慎重振りに感嘆したのは一瞬。 その裂けた地面から何と稲光が発生! 浮遊する聖哉に向かって放たれた! 地中から轟いた雷魔法に対し、 「 ダブル・ウインドブレイド ( 二刀流裂空斬 )!」 咄嗟に腰の剣を抜き、空の技を発動。 プラチナソード二刀流裂空斬にて作った風圧で雷の軌道を変え、攻撃をかわす。 更に聖哉はそのまま新たな裂空斬をタナトゥスに放った。 意表を突かれたのか、タナトゥスはそれを喰らい、呆気なく体ごと真っ二つになった。 マッシュとエルルが聖哉に駆け寄る。 「師匠! 大丈夫か?」 「ああ。 問題ない」 「で、でも何だったのー、アレ!? 地面からサンダーが出たよ!? おかしくない!?」 土属性魔法発動後に地から発生した雷魔法……確かにエルルの言うように、それは魔法の摂理を超越した攻撃だった。 でも…… 「とにもかくにも倒したようね」 一安心してそう言ったのだが、聖哉は二つに裂けたタナトゥスを鋭い目で見詰めていた。 「おい、リスタ。 何をしている。 さっさと門を出せ」 「え? で、でも、」 「急げ。 出した後は扉を開いておけ」 「う、うん」 私がようやく門を出現させ、扉を開いた時。 胴体を輪切りにされた筈のタナトゥスの上半身はむくりと起き上がり浮遊、すぐに下半身を再生した。 更に驚くことにもう一つの下半身は新たな上半身を創造する。 「げっ! 二つに分裂したぜ!」 「な、何よアレーっ!」 途端、一体のタナトゥスが十字架を聖哉に向けるや、そこからシャイニングアローのような光線の如き矢が発射される! 聖哉は半身を反らせてそれを避けるが、さらにもう一体のタナトゥスが十字架を振り上げ、聖哉に迫っている! 今度は巨大な十字架を武器のようにして聖哉に殴りかかろうとした。 充分な距離を取ってバックステップして、かわそうとした聖哉だったが、その十字架が伸長する! 伸縮自在の十字架はあわや聖哉の胸元まで届きそうになるが、そこで伸長はストップ。 事なきを得たと思った瞬間、十字架の先より弾丸のような氷柱が連続で発射された! 「むうっ!」と聖哉が唸った。 払い除けようと剣を振るうが数が多い。 十字架より発生した氷結魔法の一つが聖哉の腹部にヒット。 聖哉は弾かれ、地面に転がった。 「せ、聖哉!?」 聖哉が敵に攻撃を喰らったのを見たのはこれが初めてだった。 だが聖哉はすぐさま立ち上がり、体勢を整える。 そろりそろりとこちらに向かってくる二体のタナトゥスは、歩きながら体を重ね、そして再び一体に統合した。 聖哉は持っていた剣を鞘に仕舞い、迫るタナトゥスに両手を向ける。 「 マキシマム・インフェルノ ( 爆殺紅蓮獄 )……」 凄まじい爆炎がタナトゥスを飲み込む。 全てを焼き尽くす強烈至極な業火だが、それでは倒せないことを確信しているように、発動後、聖哉が素早くマッシュに近付いた。 「えっ? 師匠?」 狼狽するマッシュを担ぐと、開いた門へ向かって放り投げる! 「うわーーー!!」 投擲されたマッシュは門の向こうに消えた。 すぐさま今度はエルルを抱えると、 「はわわわわっ!?」 同じように素早く放り投げた。 そして、聖哉は私に突進してくる。 わ、私も投げられるのね!? いいわ!! でも優しくしてね!! あと出来たら、お姫様だっこして投げてください、お願いします!! だが、聖哉は大きく右足を振り上げた! 次の瞬間、長い足のつま先部分が私の腹部にめり込む! 「ボッヘエエエエエエエエエエ!?」 蹴られた衝撃で悶絶しながら、私は門の向こうに吹き飛ぶ! その私を追うような形で、ほぼ同時に聖哉が門に突入! 天上界に着くやいなや、すぐさま扉を閉じた! 統一神界の広場に転がり出た私は、 「オォォォイ!! 何で蹴った!? 私だけ扱い、酷すぎるだろがああああああ!!」 そう叫んだのだが、いつもと様子が違う。 聖哉はタナトゥスにやられた腹を手で押さえてうずくまり、無言だった。 「ち、ちょっと聖哉!? 大丈夫!?」 「ああ、何とかな。 だが……深手を負ってしまった」 わ、私のバカ!! 聖哉はタナトゥスの攻撃で深手を負わされて、天上界に逃げ帰るしかないギリギリの状態だったんだ!! なのにマッシュやエルルちゃん、そして私を見捨てずに連れてきてくれたんじゃないの!! 「初めてだ。 敵にダメージを与えられたのは。 回復しなければ」 「傷を見せて! すぐに治してあげるから!」 「なるべく早く頼む」 そして聖哉は鎧を脱ぎ、傷口を見せた。 「……え?」 呆気に取られる。 聖哉のお腹は、擦りむいたように少し赤くなっているだけだった。 「あの……ちなみにどれ程のダメージだったの? ステータス数値的に?」 すると聖哉は苦虫を噛み潰すような表情で言った。 「300000ほどあったHPが……今や、299900しかないのだ……」 「!! 深手、負ってなくない!?」 私はツッコむが聖哉は真剣そのものだった。 「HPはいつも全快にしておかねば不安だ。 とにかく早く治せ」 相変わらずの慎重ぶりに呆れつつ、またHPが300000もあることに驚きつつ、私は治癒魔法を発動。 かすり傷を治したのだった。 「それにしても、ちょっとした傷とはいえ、師匠が怪我させられるなんてな。 一体何なんだよ、アイツは……」 マッシュの言葉にエルルも頷く。 「ムチャクチャだったよねえ。 魔法のルールも、生物としてのルールも無視してるっていうか……」 二人の言葉から怯えが伝わってくる。 私は励ますように言った。 「まぁ、とにかく此処でゆっくり対策を考えましょう! 次元の異なる統一神界なら絶対に安全よ!」 そう言った刹那。 広場にいた男神、女神達がザワザワと騒ぎ出した。 「な、何なのだ、この感じは……?」 「これはもしや……邪気? い、一体何が起きているのでしょう?」 緊迫した面持ちで男神女神が辺りを窺っている。 「あ、あれは何だ!?」 一人の男神がある場所を指さした。 見ると広場の噴水の上部に黒い渦が出現している。 黒き渦から最初に現れたのは巨大な鉄の十字架! そしてその後に続き、死神が這い出してくる! 「そんな!? ゲアブランデから統一神界まで追ってくるなんて!!」 さっきはマッシュとエルルを励まそうとした。 だが今、私の顔からは血の気が引き、足はガクガクと震え出す。 あ、ありえない!! 次元を突き破ってくるなんて!! こんなの……こんなの神話クラスの魔物じゃないの!! 今度は代わってエルルとマッシュが自分達を励ますように声を上げる。 「で、でもでもっ! どんな恐ろしい敵にも弱点はある筈だよねっ!」 「あ、ああ! エルルの言う通りだぜ! 無敵の怪物なんか存在する訳がねえ!」 そうよ! 女神の私がテンパってどうするの! 私達には聖哉がいる! 聖哉ならきっとこの魔物もどうにかこうにかやっつけてくれる筈! いや、ひょっとしたら既に…… 「聖哉! タナトゥスの弱点は何? アンタのことだから、もう気付いてるんでしょ!」 しかし。 私達の熱い眼差しを受けた勇者はボソリとこう呟いた。 「……分からん」 「「「えっ!?」」」 「……どうやったら勝てるか全く分からん」 「せ、聖哉くんっ!?」 「師匠っ!?」 うっわああああああ!! 嘘だと言ってええええええ!! 聖哉がこんな弱音を吐くなんて!? 詰んだ!! これはもう完全に詰んだわっ!! ……突然の魔物の登場に阿鼻叫喚となる統一神界。 ……ゆっくりと這い出た後、十字架を担ぎ、私達に向かって歩いてくる超概念の死神。 悲鳴を上げて逃げまどう広場の天使達同様、私達も頭が真っ白になっていた。

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慎重勇者 カクヨム連載小説 初のアニメ化!監督は迫井政行!

慎重 勇者 カクヨム

豊崎愛生のリスタルテが最高すぎる 豊崎愛生がいい仕事してましたね~。 「慎重勇者」ではヒロインの女神リスタルテを演じてるんですけど、キャラの振り幅の大きさがばっちりハマってましたね。 演技がハマればハマるほど、リスタルテの駄女神っぷりが浮き彫りになるという面白展開に加え、病的なまでに慎重すぎる主人公・聖哉との対比が見ていてホント楽しい。 聖哉の腹筋に欲情したり、ヨダレたらしたり、鼻血出したりするのは女神としては確実にアウト。 そんなリスタルテ様だけ絵のタッチがやたらと変化しまくるのもインパクトあった…むしろスライムよりも変化してた。 ボケとツッコミの両方をそつなくこなし、残念美女な風味を漂わせながら、一生懸命賑やかす…そんなスタイル、嫌いじゃないです。 むしろ最高。 豊崎愛生のリスタルテは最高だと思いました。 慎重でレディ・パーフェクトリーな勇者 豊崎愛生のリスタルテも相当キャラたってましたけど、主人公の勇者・竜宮院聖哉もかなりキャラたってましたね。 よくある異世界モノと違って、おそろしく慎重であることはタイトルからもわかってはいたものの、召喚した女神ですら全く信用しようとしない描写は意外と新鮮でした…リスタルテはたしかに珍妙だし否定はできない(笑) 周りのすべてを疑い、基本的には女神の言うことは「お断り」…ステータスではなくプロパティをオープンするも、そこに書かれた内容についても真に受けることもない。 でもよくよく考えてみれば、リスタルテみたいな珍妙な女神の言うことをやすやすと信じるほうが迂闊なのかもしれない…だから聖哉の慎重さは正しい。 とはいえ、一週間筋トレし続けてレベル15まで上げるのはちょっと…ダンベル何キロ持てるんだろ? これが「レディ・パーフェクトリー」ってやつなのか。 ちなみにリスタルテは筋トレしている間の一週間、ずっと三食全部「おにぎり」を与え続けていた模様…なかなかブラックな環境ですよね。 この調子だと剣や盾、兜についても「装備用」と「スペア」と「スペアがなくなったときのスペア」を買い求めることになりそう…ならなかったけど。 結局装備についてはリスタルテが見繕ったものを着用してましたね。 しかし道具屋では薬草や毒消し草を大量に購入…ずいぶんと楽なRPGだなこりゃ…。 救済難度S級レベルの世界って本当なのかな? 見てる限りでは難易度スーパーイージーの「S」のような気もするけど…こんなアールピージーやってみたい。 いきなり四天王かよっ(たぶん最弱だろうけど) スライムの次は…四天王。 いきなり四天王かよっ! RPGのセオリーを無視したメチャクチャな展開…なるほど、これが救済難度S級の世界「ゲアブランデ」なのか。 たしかにゲームバランスがよろしくないようです。 もしくは全滅確定イベント? それはともかく、この世界の女神や四天王はずいぶんと露出度が高い…やっぱりS級だからなんでしょうか? リスタルテは胸にチョークを収納してるようだったけど、この四天王は何を収納してるんだろう…気になるけど気にしない。 おそらくこの四天王、ケオス・マキナは四天王の中では最弱なんでしょうけど、ステータスを見る限りでは聖哉よりもはるかに強いことだけは間違いない。 慎重な聖哉がとった行動はとてもシンプル。 聖哉は逃げ出した。 聖哉の走るフォームがなんとも美しい…そして背後から追いかけるリスタルテがひどく醜い。 ほんとうにこんなんで世界救えるのか? でも心配はしてない。 まとめ アニメ「慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~」第1話「この勇者が傲慢すぎる」を視聴した感想について書きました。 異世界モノによくある「チート」で「俺ツエエ」系の作品でありながら、主人公の慎重さがその持ち味をすべてぶっ壊し、駄女神リスタルテのボケとツッコミが冴え渡る…そんな珍妙な展開が個人的にはとても面白かったです。 豊崎愛生はやっぱり偉大だわ…。 次週も楽しみですね。 以上、アニメ「慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~」第1話の感想でした!.

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