母 なる 証明。 『母なる証明』(2009)感想──血は汚い ※ネタバレ

母なる証明(ネタバレ)/洗濯ものを干すか、雑巾がけをするか

母 なる 証明

引用)YouTube almlatteより 知的障害のある息子・トジュン(ウォンビン)を、母親(キム・ヘジャ)は常に心配していた。 トジュンには悪友・ジンテ(チン・グ)がおり、トジュンが轢かれかけた議員のベンツに復讐した際、協力したジンテからバックミラーを破損させた責任を転嫁されたことから、母親は彼との絶交をトジュンに勧めるほどであった。 ある日、トジュンはナンパしようとした少女(チョン・ミソン)に逃げられた。 その翌日、少女は死体となって発見され、トジュンは殺人容疑で逮捕された。 息子が殺人など犯すはずがないと信じる母は、警察や弁護士に追いすがるが、その努力も無駄と知り、自らの手で事件を解決しようと奔走する。 引用) 『母なる証明』制作陣・キャスト それでは本作を作った最高の監督、キャスト陣の紹介をどうぞ。 監督 ポン・ジュノ 今や世界で最も有名な韓国の映画監督となったポン・ジュノ監督。 韓国の社会風刺や反米など、メッセージ性の強い作品が多くあります。 日本の是枝監督とも親交が深いとのこと。 ポン・ジュノ監督はこれまでも数々の話題作を世に出しています。 殺人の追憶 2003• グエムル 漢江の怪物 2006• 母なる証明 2008• スノーピアサー 2013• 息子に依存し過ぎた母親に対して終始、嫌悪感を感じながら鑑賞していました(僕がトジュンに年齢が近い男性であるせいかもしれませんが。 ) しかし、 物語終盤に訪れる大どんでん返し。 母親が、味方のいないながら頑張って真犯人を追い詰める話かと思っていた僕は、度肝を抜かれました。 そして、母親の狂気と罪悪感を拭い去れないままエンドロールへ・・とても嫌な気持ちになると同時に、急速なストーリー展開と振り切れた母親の行動に爽快感も感じる作品でした。 日本で言うところの 「イヤミス」を読んだ後に近い感覚ですね。 事件の真相• アジョンは廃品回収のおじさんと援助交際するつもりだった• 約束の廃屋の前でトジュンに声をかけられた• 援助交際への負い目があったアジョンは、トジュンを「 バカ」と罵る• 「バカ」に切れたトジュンは岩を投げてアジョンを殺害• 混乱したトジュンはアジョンを屋上へ• 事件のショックで真犯人トジュンは記憶を失う 廃品回収のおじさんは、母親には「あの晩、俺はたまたまそこにいたんだ」と言っています。 しかし実際は、ビニールシートと代金の米まで準備して、 アジョンと援助交際する気満々でした。 そして、約束の廃屋に到着するアジョン。 しかし、そこへ入る直前、トジュンに声をかけられます。 酔っぱらったトジュンは、そのアジョンに「 男は嫌い?」と質問。 これが、生活のために援助交際を続けていた、アジョンの怒りに触れてしまいます。 近くにあった岩を投げつけて、「 私に話しかけないで、バカ野郎」と言い放ちました。 しかしトジュンにとって「 バカ」はNGワード。 投げつけられた岩を投げ返し、 アジョンを殺害してしまいました。 さらに、屋上まで運び手すりにぶら下げます。 この理由については、トジュン本人が(犯人の気持ちを予想して)「 血が出たからみんなに知らせるために屋上に運んだのでは」と語っています。 このように比較的単純な事件であるはずなのに、この映画が複雑化している原因は「 トジュンが人を殺したことを本当に覚えていない」ことです。 トジュンは殺害したことを覚えていない? 事件のショックで記憶を失っているね。 この映画の序盤で描かれていた、トジュンとアジョンのやり取り(暗闇から岩が飛んできて、トジュンは不信がってその場を立ち去る)が、事件後のトジュンの記憶です。 このシーンの主観はトジュンであるのに、事実と異なる映像である、というのはちょっと反則な気もします。 しかし、この描写がトジュンのついた嘘ではなく、本当にそう記憶しているということを表しているのでしょう。 この記憶力のなさは、 彼の持つ障害に起因します。 しかし、5歳の時に母親に殺されそうになったことを突然思い出したことから、今後自分がアジョンを殺害したことや、母親が廃品回収のおじさんを殺害した犯人であることを思い出すことは十分に考えられます。 逮捕されたジョンパルって誰だっけ? では、真犯人の代わりに逮捕されたジョンパルとはいったいどういった人物なんでしょうか。 ジョンパルが逮捕されたとき「 え・・ジョンパルって誰だっけ?」となった人もいるのでは?(僕はちょっと忘れてました。 ) 話では何度も出てきますが、登場するのは最後の面会シーンのみなので、細かい情報を忘れちゃいますよね。 「携帯を捨てなくちゃ」と言っていた• 携帯の写真を現像しようとしていた このことから、援助交際に嫌気がさしてすべてを捨て去りたい、と思う一方で、その中で消したくない思い出があったと考えられます。 ということは、 「写真を現像したいほど大切な相手」=「ジョンパル」と考えられます。 アジョンと親密な関係があったジョンパルは、祈祷院を脱走し、トゲ山で捕まった際に、彼女の血がついていたという理由で逮捕されました。 この時の血は、彼女が頻繁に出していた鼻血で間違いないでしょう。 この誤認逮捕に本人がどれほど抵抗したかは不明ですが、ゴルフボールを証拠に逮捕するような警察ですから、血痕が付いていたら言い逃れの仕様がありません。 結果、 ジョンパルは無実の罪で逮捕されてしまいます。 全てを忘れたかのように振舞っていますが、彼女の記憶は消されたのでしょうか。 これは人によって考察がわかれるようですが、僕の意見は 「記憶が消えてるはずないでしょ」 ですね。 彼女は罪悪感から逃れるためのトリガーとして針を利用し、最後の場面でそれを忘れるかのように踊り狂っています。 ですが、針刺したくらいで記憶が消えるはずもなく、 現実逃避でしょう。 しかし、農薬を飲ませたときのようにトジュンが数年後に自分の犯行や、母親の犯行を思い出したら・・・ この物語にハッピーエンドは無さそうです。 母親のダンスの意味は? 本作の衝撃シーンと言えば、冒頭の母親のダンスシーン。 「いったい何を見せられているんだ?」と思いながら数分間過ごしたでしょう。 彼女が踊るシーンは2回あります。 U-NEXTで映画を観るメリット• 登録後31日間 無料で鑑賞可能• 毎月もらえる1200ポイントで有料コンテンツも観られる• 2020年3月時点• 吠える犬は噛まない• 殺人の追憶• グエムル 漢江の怪物• TPKYO! 母なる証明• スノーピアサー• 感想やオススメ映画等、コメントいただけると嬉しいです。 Twitterのフォロー・コメントも大歓迎です。

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母なる証明 特集: “韓国の母”キム・ヘジャが見せた「狂気」という名の真価 (2)

母 なる 証明

引用)YouTube almlatteより 知的障害のある息子・トジュン(ウォンビン)を、母親(キム・ヘジャ)は常に心配していた。 トジュンには悪友・ジンテ(チン・グ)がおり、トジュンが轢かれかけた議員のベンツに復讐した際、協力したジンテからバックミラーを破損させた責任を転嫁されたことから、母親は彼との絶交をトジュンに勧めるほどであった。 ある日、トジュンはナンパしようとした少女(チョン・ミソン)に逃げられた。 その翌日、少女は死体となって発見され、トジュンは殺人容疑で逮捕された。 息子が殺人など犯すはずがないと信じる母は、警察や弁護士に追いすがるが、その努力も無駄と知り、自らの手で事件を解決しようと奔走する。 引用) 『母なる証明』制作陣・キャスト それでは本作を作った最高の監督、キャスト陣の紹介をどうぞ。 監督 ポン・ジュノ 今や世界で最も有名な韓国の映画監督となったポン・ジュノ監督。 韓国の社会風刺や反米など、メッセージ性の強い作品が多くあります。 日本の是枝監督とも親交が深いとのこと。 ポン・ジュノ監督はこれまでも数々の話題作を世に出しています。 殺人の追憶 2003• グエムル 漢江の怪物 2006• 母なる証明 2008• スノーピアサー 2013• 息子に依存し過ぎた母親に対して終始、嫌悪感を感じながら鑑賞していました(僕がトジュンに年齢が近い男性であるせいかもしれませんが。 ) しかし、 物語終盤に訪れる大どんでん返し。 母親が、味方のいないながら頑張って真犯人を追い詰める話かと思っていた僕は、度肝を抜かれました。 そして、母親の狂気と罪悪感を拭い去れないままエンドロールへ・・とても嫌な気持ちになると同時に、急速なストーリー展開と振り切れた母親の行動に爽快感も感じる作品でした。 日本で言うところの 「イヤミス」を読んだ後に近い感覚ですね。 事件の真相• アジョンは廃品回収のおじさんと援助交際するつもりだった• 約束の廃屋の前でトジュンに声をかけられた• 援助交際への負い目があったアジョンは、トジュンを「 バカ」と罵る• 「バカ」に切れたトジュンは岩を投げてアジョンを殺害• 混乱したトジュンはアジョンを屋上へ• 事件のショックで真犯人トジュンは記憶を失う 廃品回収のおじさんは、母親には「あの晩、俺はたまたまそこにいたんだ」と言っています。 しかし実際は、ビニールシートと代金の米まで準備して、 アジョンと援助交際する気満々でした。 そして、約束の廃屋に到着するアジョン。 しかし、そこへ入る直前、トジュンに声をかけられます。 酔っぱらったトジュンは、そのアジョンに「 男は嫌い?」と質問。 これが、生活のために援助交際を続けていた、アジョンの怒りに触れてしまいます。 近くにあった岩を投げつけて、「 私に話しかけないで、バカ野郎」と言い放ちました。 しかしトジュンにとって「 バカ」はNGワード。 投げつけられた岩を投げ返し、 アジョンを殺害してしまいました。 さらに、屋上まで運び手すりにぶら下げます。 この理由については、トジュン本人が(犯人の気持ちを予想して)「 血が出たからみんなに知らせるために屋上に運んだのでは」と語っています。 このように比較的単純な事件であるはずなのに、この映画が複雑化している原因は「 トジュンが人を殺したことを本当に覚えていない」ことです。 トジュンは殺害したことを覚えていない? 事件のショックで記憶を失っているね。 この映画の序盤で描かれていた、トジュンとアジョンのやり取り(暗闇から岩が飛んできて、トジュンは不信がってその場を立ち去る)が、事件後のトジュンの記憶です。 このシーンの主観はトジュンであるのに、事実と異なる映像である、というのはちょっと反則な気もします。 しかし、この描写がトジュンのついた嘘ではなく、本当にそう記憶しているということを表しているのでしょう。 この記憶力のなさは、 彼の持つ障害に起因します。 しかし、5歳の時に母親に殺されそうになったことを突然思い出したことから、今後自分がアジョンを殺害したことや、母親が廃品回収のおじさんを殺害した犯人であることを思い出すことは十分に考えられます。 逮捕されたジョンパルって誰だっけ? では、真犯人の代わりに逮捕されたジョンパルとはいったいどういった人物なんでしょうか。 ジョンパルが逮捕されたとき「 え・・ジョンパルって誰だっけ?」となった人もいるのでは?(僕はちょっと忘れてました。 ) 話では何度も出てきますが、登場するのは最後の面会シーンのみなので、細かい情報を忘れちゃいますよね。 「携帯を捨てなくちゃ」と言っていた• 携帯の写真を現像しようとしていた このことから、援助交際に嫌気がさしてすべてを捨て去りたい、と思う一方で、その中で消したくない思い出があったと考えられます。 ということは、 「写真を現像したいほど大切な相手」=「ジョンパル」と考えられます。 アジョンと親密な関係があったジョンパルは、祈祷院を脱走し、トゲ山で捕まった際に、彼女の血がついていたという理由で逮捕されました。 この時の血は、彼女が頻繁に出していた鼻血で間違いないでしょう。 この誤認逮捕に本人がどれほど抵抗したかは不明ですが、ゴルフボールを証拠に逮捕するような警察ですから、血痕が付いていたら言い逃れの仕様がありません。 結果、 ジョンパルは無実の罪で逮捕されてしまいます。 全てを忘れたかのように振舞っていますが、彼女の記憶は消されたのでしょうか。 これは人によって考察がわかれるようですが、僕の意見は 「記憶が消えてるはずないでしょ」 ですね。 彼女は罪悪感から逃れるためのトリガーとして針を利用し、最後の場面でそれを忘れるかのように踊り狂っています。 ですが、針刺したくらいで記憶が消えるはずもなく、 現実逃避でしょう。 しかし、農薬を飲ませたときのようにトジュンが数年後に自分の犯行や、母親の犯行を思い出したら・・・ この物語にハッピーエンドは無さそうです。 母親のダンスの意味は? 本作の衝撃シーンと言えば、冒頭の母親のダンスシーン。 「いったい何を見せられているんだ?」と思いながら数分間過ごしたでしょう。 彼女が踊るシーンは2回あります。 U-NEXTで映画を観るメリット• 登録後31日間 無料で鑑賞可能• 毎月もらえる1200ポイントで有料コンテンツも観られる• 2020年3月時点• 吠える犬は噛まない• 殺人の追憶• グエムル 漢江の怪物• TPKYO! 母なる証明• スノーピアサー• 感想やオススメ映画等、コメントいただけると嬉しいです。 Twitterのフォロー・コメントも大歓迎です。

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『母なる証明』宇多丸さんの言う通り、スクリーンで見ときゃよかった

母 なる 証明

この点、非常にポン・ジュノ監督らしい展開であったが、結論から言うと犯人はトジュンで間違いない。 簡単な流れで説明すると、劇中で語られた通りではあるのだが、トジュンがあの夜好意を持って追いかけた少女アジョンは非常に多くの男性と性的関係を持っていた。 アジョンは生活に苦しんでいた為に、お金欲しさに体を売る、俗に言う援助交際というものを行なっていたのだ。 それはあの夜も同様で、本来なら廃品回収のおじさんとそのような行為に至るはずであったが、トジュンが執拗に追いかけたために岩を投げつけた。 結果的にここでアジョンが放った言葉 物語の鍵を握る言葉 に怒ったトジュンが岩を投げ返し運悪くアジョンに命中。 死亡させてしまったのだ。 アジョンとその周りの関係について。 先ほども紹介した通り、アジョンは非常に多くの男性と援助交際をしていた。 事件当時、遺体は建物の屋上から発見されたがその下の階には廃品回収のおじさんが待機しており、トジュンが執拗にアジョンを追いかけていたこと、トジュンの投げた岩がアジョンに命中したこと、トジュンがアジョンの遺体を屋上に運んだことを目撃していた。 物語では殺されたアジョンの携帯電話も鍵を握っていたが携帯電話から、廃品回収のおじさんの写真が見つかっているためこの以前にもアジョンと廃品回収のおじさんとの関係はあったと言える。 それはおじさんが待機している間に袋に米を入れて待っていることからも伺える。 アジョンは肉体関係を持つ引き換えにお金もしくは米をもらっていたことから、米餅少女というあだ名で呼ばれていた。 トジュンはなぜ岩を投げ返したのか。 鍵を握る言葉とは。 トジュンはなぜアジョンから投げられた岩を投げ返してしまったのかと言う疑問が残るがこれに関しては非常に単純明快である。 劇中でトジュンは「バカ」という言葉に非常に敏感になっていたことにみなさんは気付いていただろうか。 最初にその傾向が見られたのはゴルフ場に向かったグループの車にトジュンが轢き逃げされたために、ジンテと共に復讐をしに行った流れからである。 ゴルフ場に到着した2人はひき逃げを行った車のサイドミラーを破壊してしまう。 ライダーキックでだ。 ポン・ジュノ監督作品にはライダーキックが多用されている。 その後の警察署における事情聴取での話し合いで、「おい いくらか知ってて壊したのか?バカ野郎」と言われるとトジュンは激昂し掴み合いとなった。 またその後アジョンの殺害容疑で捕まり、事情聴取において罪を認めてしまった 母はトジュンが殺していないと信じているしトジュン自身も自らが殺したことを覚えておらず、自分は殺していないと思っている トジュンに対し母が「バカね」というと「息子に対してバカとは何だ!」と怒りを見せている。 その他にも刑務所内で囚人にバカとからかわれた際にも同様の反応を見せていた。 このような出来事と描写がわざわざ何度も描かれていることからトジュンが「バカ」という言葉に対して強い嫌悪感を示すことは明らかであり、何度も登場する以上非常に重要な役割を果たすのである。 果たして、それは事件当時の夜にも起こったのだ。 アジョンはしつこく追いかけてくるトジュンに対して「話しかけないで。 バカやろう」という言葉を放った。 当然定石通りトジュン怒った。 そして岩を投げつけたのだ。 これが運悪くアジョンに命中し死亡してしまった。 本作に伏線のように張り巡らされていたこの言葉は最終的な結末に導いた言葉でもあるという点で非常に重要であったと言える。 ウォンビンが知的障害者となった要因 トジュンが5歳だった頃、母が飲み物に農薬を混ぜて殺そうとしたことがあり、トジュンが知的障害や精神的な異常を引き起こす要因が母にあるかのように描かれている部分がある。 しかしここに関していえば、トジュンは生まれつき知的障害を持っていた可能性が高い。 というよりそれが正しい見解だろう。 つまり、母が飲み物に農薬を混ぜたのは生活に苦しみ、子を育てることに疲れ切ってしまった母のとった最終手段による心中だったのだ。 また、知的障害とは以下だ。 知的障害 ID: Intellectual Disability は、医学領域の精神遅滞 MR: Mental Retardation と同じものを指し、「知的発達の障害」を表します。 すなわち「1. 全般的な知的機能が同年齢の子どもと比べて明らかに遅滞し」「2. 適応機能の明らかな制限が」「3. 18歳未満に生じる」と定義されるものです。 中枢神経系の機能に影響を与える様々な病態で生じうるので「疾患群」とも言えます。 劇中でのトジュンは判断力や記憶力の面で社会的に活動していく上での明らかな障壁が見られた。 トジュンがジンテにサイドミラーを破壊した罪を被されてもそれを自分で行なったと思ってしまっていたし、アジョンを殺して屋上に運んだことを忘れてしまっていることから、記憶力に関しては通常の青年男性よりも非常に低いと見られる。 一方で、生まれつきでもなく、農薬の事件による精神的なダメージによるものでもなく、知的障害という事実は幼い頃からトジュンが演じていた側面である可能性も拭えない。 これは突然トジュンが過去のことを思い出すという不自然な点からくる考察なのだが、ポン・ジュノ監督は、トジュンには何か他人が知り得ない秘密が隠されていると感じるように撮影したと語っており、これが事実だとすると本作はもっと恐ろしい物語ということになる。 母が廃品回収のおじさんを殺害した理由とは。 物語が進んでいく上で、母はついにアジョンの携帯電話を発見しアジョンが援助交際の関係にあった人物の写真が全て明らかとなった。 ここからトジュンとの面会で事件当時トジュンが現場で見た男性を思い出させると廃品回収のおじさんが浮かび上がるのだ。 廃品回収のおじさんはトジュンが現場検証に同行している際と、母が雨の中傘を購入する際の2度登場している。 そして再度、母が真犯人を突き止めるために廃品回収のおじさんを訪ねる際にも登場したのだ。 しかしそこで母は先ほど紹介した、トジュンが真犯人であるという紛れもない事実を知ってしまうのである。 そして廃品回収のおじさんは他に真犯人がいるという真実とは異なる事実が現実化してしまうことを恐れて警察に通報しようとしたのだ。 我を失った、母親にこの時残っていたものは息子を強烈に愛するが故にくる、トジュンが犯人ではないという思い込みのみである。 この感情のみで母親はおじさんを殴り殺してしまったのだ。 この場面は本作において特に印象的であり、ポン・ジュノ監督らしい描写である。 どこか『パラサイト半地下の家族』に通ずるものがあることは確かだ。 ラストのダンスの意味は? 本作のラストで衝撃的な事実を知ってしまった我々だが、その衝撃的な事実によって最も大きなダメージを受けたのは間違いなく母親である。 社会的なハンディキャップを持っている息子を過剰に愛している母親は自分が信じていたものが崩壊すると同時に放心状態に陥っていたに違いない。 ラストにおいて、嫌なことや心のしこりを消して、忘れるツボに針を刺した母親は記憶をなくしバスの中で踊り始めている。 ここでダンスを踊り始めたということは記憶をなくしたことを示しているが、映画の最初に荒野でダンスをする母親のシーンと繋がる。 トジュンの無実を証明するために自ら証拠を探し求める際にもこの荒野でのシーンが登場するがここでは母親はダンスをしていない。 必死になっており、記憶も確かであるからである。 映画の最初のシーンではダンスをしているためこれは、ダンス=記憶を失うという暗示であると考えられる。 映画『母なる証明』が伝えたかったこととは。 『母なる証明』が私たちに伝えたかったことはいったい何だったのだろうか。 結論から言うと本作が伝えたかったことは、母親という存在そのものであると言える。 本作において母と息子トジュンの関係は異様なものであった。 善悪を無視した母の純粋な愛。 それは側から見たら狂気とも取れるのだ。 物語が進むにつれて母親という存在そのものについて深く考えるようになっていく。 本作は母親という存在の特質を最大限に引き出しており、どんなものでもその存在の特質を最大限に引き出すとその本性が綺麗に見えてくるのである。 母親というものは子をどこまでも愛している。 『母なる証明』では歪んだ愛情によって息子が犯した罪の唯一の証拠を葬り去ってしまった。 どこまでもゆく母親の愛情が見せたその行動の全てが母としての証明、つまり「母なる証明」に繋がったのだ。

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